日本音楽学会中部支部の会員の皆様に定例研究会案内、 定例研究会報告、支部通信の一部などを随時お伝えしています
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【第140回 日本音楽学会中部支部 定例研究会】

入梅の候 お変わりなくお過ごしでしょうか。
第140回日本音楽学会中部支部定例研究会を下記の要領で開催いたします。
奮ってご参加くださいますようお願い申し上げます。

日時:2024年7月20日(土)13時30分~16時10分(予定)
   対面とオンラインのハイブリッド開催・事前申込制
会場:中京大学名古屋キャンパス(地下鉄八事駅5番出口直結)
司会:明木茂夫(中京大学)
連絡先:nogchubu20[at]gmail.com ([at]を@に置き換えて下さい)(定例研究会担当)

【参加方法】
参加をご希望の方は、 7月19日(金)正午までに(時間厳守)、
<参加申込フォーム>(←クリックしてご登録下さい)へ必要事項をお知らせください。
オンライン参加の場合は、研究会前日にご指定のアドレスへZoomリンクと注意事項をご連絡いたします。
締め切り後の対応はいたしかねます。

【研究発表1】
丹羽菜月(愛知県立芸術大学非常勤講師)
「日本伝統音楽におけるヘテロフォニーの形態―木遣りの事例研究を通して―」

概要
 日本伝統音楽の多くは、音高、音価、音色、音勢に「ゆらぎ」を含む不均質な楽音を用いて全体が構成されている。すなわち「時間的な『ずれ』を伴う異質な音楽構成要素の集合体」であるといえる。本研究は、日本の伝統芸能である木遣りに焦点を当て、不均質な声の集合体が生み出す音楽形態を手がかりに、日本伝統音楽におけるヘテロフォニーについて考究したものである。本発表では、木遣りの実演記録の採譜による分析を基に、「ずれ」の形態や合奏方法について述べ、そこから浮かび上がる木遣りのヘテロフォニーを形成する要素について明らかにする。


【研究発表2】
守屋祐介(愛知県立芸術大学非常勤講師)
「ルイージ・ダッラピッコラの1940年代初頭の調性から無調への転換期における12音技法についての考察―《ギリシャの詩》三部作の分析を中心に―」

概要
 本発表は、2023年度に愛知県立芸術大学大学院音楽研究科に提出された博士論文に基づくものである。本論文はイタリアの作曲家、ルイージ・ダッラピッコラLuigi Dallapiccola(1904?1975)の1940年代初頭の12音技法による作品における技法的・構造的特質に関する研究である。ダッラピッコラの12音技法による作品《ギリシャの詩Liriche greche》三部作(1942-45)の分析を行い、主として調性的要素から、その12音技法が厳格な12音技法の性質と異なることを明らかにする。


【研究発表3】
堀夏紀(名古屋女子大学短期大学部)
「アーロン・コープランド《ピアノソナタ》作品研究―フランス「新古典主義」書法とアメリカ音楽言語の関わり―」

概要
 コープランドは、21歳でパリに渡り、3年間アメリカ人作曲家として、初めてナディア・ブーランジェに師事した。彼の成熟期に作曲された《ピアノソナタ》(1939-1941)は、パリ留学時代に摂取した、フランス「新古典主義」書法の影響が顕著である。コープランドは、その伝統的語法を拠りどころとしながら「アメリカ的」言語を折衷することにより、独創的《ピアノソナタ》を創造した。本発表では、二つの音楽言語の関わりについて考察を行い、作品の独創性を明らかにしたい。


【レクチャー】
秋場敬浩(ピアニスト・愛知県立芸術大学講師)
「ロシア・ピアノミニアテュアの宇宙―音楽之友社刊『ロシア ピアノ小品集』の編纂にあたって」

概要
 2023年より刊行がスタートした音楽之友社による初級・中級者向けのピアノ楽譜出版プロジェクト(全10巻)は、アメリカ合衆国、南米諸国、イギリス、イタリア、ドイツ・オーストリア、ロシア、中央ヨーロッパ諸国、北欧諸国、スペイン、フランスの「知られざる」、もしくは、「知られた」作曲家たちとそのピアノ小品の貴重なコレクションを提供する画期的な企画である。発表者は、2024年4月に出版されたシリーズ第6巻目の『ロシア ピアノ小品集』を編纂するにあたり、膨大なロシア・ピアノ・リテラテュアを新たに一望し、ピアノ学習者から愛好家、専門的演奏家に至るまでのあらゆる層にとって音楽的純度の高い小品を厳選するよう心掛けた。選曲についてのみならず、巻頭のロシア音楽略史、曲目解説の執筆に関して、あるいは、ロシアのピアノ楽派の伝統を反映した運指法の導入についても、詳しく解説したい。


講師プロフィール(ウェブサイトより抜粋)
 横浜市生まれ。東京藝術大学音楽学部器楽科ピアノ専攻を首席で卒業。在学中にアリアドネ・ムジカ賞(伊達メモリアル基金)、安宅賞、アカンサス音楽賞、同声会賞受賞。その後、同大学院音楽研究科に進み2015年に博士後期課程修了。サムイル・フェインベルクを研究テーマとしたリサイタルおよび論文によって博士号(音楽)取得。また、大学院在籍中に渡露、チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院に留学。2011年に国家ディプロマを得て同音楽院研究科修了。ミハイル・オレーネフ、ヴィクトル・ブーニンの両氏に師事。
 教育活動にも積極的に取り組み、これまでに、アルメニア文化教育支援基金、PLMF音楽財団(エストニア)などの招聘を受け、アルメニア国立コミタス記念イェレヴァン音楽院、アルメニア国立チャイコフスキー記念特別中等音楽学校、エイヴェレ夏季ピアノ・スクール(エストニア)などでマスタークラスを行った。東京藝術大学音楽学部非常勤講師を経て、現在、愛知県立芸術大学音楽学部ピアノコース専任講師。


(2024.6.18 更新)



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